スカウラーズにとって偉大な日だった。谷に落ちる影はいっそう暗くなった。しかし、敗北後の敵が体制を立て直す暇を与えないため、賢明な将軍が勝利の瞬間こそなお一層の奮闘をする時として選ぶように、作戦の舞台に目を配っていたマギンティ支部長は、陰気な悪意ある目で、彼に反対する人間への新しい攻撃を立案していた。まさにその夜、ほろ酔いの仲間達が解散すると、彼はマクマードの腕に触れ、二人が最初の会談をした奥の部屋に連れて行った。

「いいか」彼は言った。「俺はとうとうお前にふさわしい仕事を見つけた。お前自身の手でやってもらおうと思う」

「それを聞いて光栄だ」マクマードは答えた。

「二人一緒に連れて行け、 ―― マンダーズとレイリーだ。彼らにはもう話をつけてある。俺たちはチェスター・ウィルコックが始末されるまで、この地区で安心できない。もしお前がこいつをばらせば、この炭鉱地区の全支部から感謝されるだろう」

「ともかく全力でやろう。こいつは誰で、どこにいるんだ？」

マギンティはずっと半分噛んで半分吹かしている葉巻を口の端からとり、ノートから破った紙に大雑把な図を書き始めた。

「彼はアイアン・ダイク・カンパニーの監督長だ。頑固な奴だ。かつて南北戦争で軍旗護衛下士官をやっていた傷だらけの白髪男だ。二回襲撃したが、ツキがなかった。ジム・カーナウェイはこれで命を失った。それをお前にやってもらいたい。家はアイアン・ダイク十字路に一軒だけ建っている。地図のこの地点だ。近くには一軒も家はない。昼間はまずい。彼は武装していて、一言も言わず、すぐさま撃ってくる。しかし夜になれば、彼は妻と三人の子供と使用人と一緒にいる。他に方法はない。皆殺しにするしかない。黒色火薬の袋を正面玄関に置き、導火線をそれにつけて･････」

「その男は何をしたんだ？」

「ジム・カーナウェイを撃ったといわなかったか？」

「なぜ彼を撃った？」

「いったいそれがお前と何の関係がある？カーナウェイは彼の部屋に夜行った。そしたら撃たれた。俺とお前にはそれで十分だ。お前が、その仕事の後始末をすることになったんだ」

「女が二人に子供か。一緒に木っ端微塵にするのか？」

「しようがない。そうしないとどうやって奴をやれる？」

「ちょっと残酷だな。無関係な人間だろう？」

「何を馬鹿なことを話しているんだ？怖気づいたのか？」

「落ち着けよ、議員さん、落ち着け！支部長の命令に怖気づいたとあんたが思うようなことを、俺がしたことがあるか？良い事であれ、悪いことであれ、決めるのはあんただ」

「じゃ、やるんだな？」

「もちろん、やる」

「いつ？」

「そうだな。一晩か二晩もらった方がいいな。そうすれば、俺は家を下見に行って計画を練ることができる。その後で････」

「よかろう」マギンティはマクマードの手を握って言った。「お前にまかせる。お前が知らせを届ければ素晴らしい日になるだろう。これはとどめの一撃だ。もう誰も逆らわないだろう」